殺人鬼と宇宙人とうさぎ。

Monthly Archives: 4月 2013

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Dr.パルナサスの鏡(2009/イギリス、カナダ)

Dr.パルナサスの鏡 [DVD]
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数世紀前に悪魔との賭けにより不死の命を手に入れたパルナサス博士は、自分の娘を16歳の誕生日に悪魔に引き渡さねばならなくなり、苦悩していた。彼は自身の率いる、他人の想像の世界を垣間見る鏡の見世物を巡り、パーシーら古くからの仲間とともに興行を続けながら、何とか悪魔との賭けに勝利する手立てを画策していた。そんな折、博士はタロット占いの「吊られた男」のカードが示した、橋の上から吊るされた若者トニーを死から救う。助けられたトニーは商才を発揮して見世物を繁盛させ、博士の助けとなるが、悪魔との賭けのタイムリミットは目前に迫っていた…。


ヒース・レジャーが撮影中に急逝した事で急遽脚本を変更しなければならなくなった、その大変さがひしひしと伝わってきました。
残念ながら主に悪い意味で…。

とにもかくにも地盤がゆるい。バランス感覚が悪い。
もともと映像がウリの雰囲気映画なのでストーリーは二の次としても、これはちょっと不安定すぎる。
ストーリーの一番太い軸を開始1時間半も経ってからやっと説明するって言うのはちょっと悠長すぎやしませんかねえ…
誰一人として感情移入できるキャラクターがいない事もあって、私の場合、その頃には完全にこの映画に飽きてしまっていました。

これを観る予定の方は、先にあらすじに目を通しておいた方がいいです。
なんならネタバレサイトで情報収集したあとで観てもいいんじゃない?くらい。
なにせ予備知識無しでは間違いなく置いていかれます。物語が複雑なのではなくて、物語の“説明が”複雑だから…。
根っから娯楽映画としては作られていないみたい。監督の自己満足がにじみ出てるかな。

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うさぎ

luco0008

トップでもお知らせしていますが、うさぎモニター設置してみました。
PCを買い替えて今までのノートがお役御免になったので、新しい仕事を与えてあげようかと思って…。ご老体PCにとってはいい迷惑でしょうが。

ちなみにうさぎなので基本昼間は寝っぱなしです、あしからず(?)

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ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える(2011/アメリカ)

ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える [DVD]
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ラスベガスでの騒動から2年後。フィル(ブラッドレイ・クーパー)、スチュ(エド・ヘルムズ)、アラン(ザック・ガリフィアナキス)、ダグ(ジャスティン・バーサ)はスチュとローレン(ジェイミー・チャン)の結婚式のためにタイを訪れた。皆はトラブルメイカーのアランを渋々ながら同行させ、ローレンの弟のテディ(メイソン・リー)も合流する。ローレンの父親(ニルット・シリジャンヤー)はスチュを嫌っており、婚前パーティでも彼をいびるのであった。そんな夜の終わり、スチュ、フィル、ダグ、アラン、テディの5人はビーチでキャンプファイアを囲み、前回の反省を踏まえてビール1本だけの乾杯をした。 翌朝、一行は見知らぬホテルの一室で目を覚ます。またもや昨夜の記憶を一切失って。


一発ネタ的な映画だったにもかかわらず、まさかの続編。
今度はスチュの結婚式で、場所はタイ。相手は前作のジェイドではなく新キャラです…(´・ω・`)

前作も「ツボ!」と言うほどではありませんでしたが、今作は笑える笑えない以前にストレスたまりました。
原因はアラン。彼のひどさが前回の5割増くらいにアップしてて序盤からイライラして仕方なかった。
作中で名言こそされていないものの彼はアスペルガー症候群で、ADHD(こちらは作中で言及あり)でもあります。
だから人の気持ちを考えられず自分のことだけを喋り続けて、幼稚園の子供でもしないような自分本位な行動にばかり走るの。最初から最後までずっと。
これがほんとにもう我慢ならなかった。
で、今回はアランが「テディ(スチュの花嫁の弟)さえいなければ楽しい週末になるのに!」というわがままなガキみたいな理由でマシュマロにADHDの薬を仕込んだ所為でこうなった、と。

彼の設定は別に無駄ではないんです。視聴者をイラつかせるためだけに存在している訳でもないんです。
ストーリーを大きく転がすために必要不可欠な人物だし、『特定の分野で優れた才能を発揮する』特性から事態の解決に一役買っている部分もあります。
だからむしろキャラクター設定としては上手いと思う。それは認める。
認めるけど無理なの。

脚本は前作よりも大味な印象で、伏線回収によるカタルシスもほとんどありません。
舞台の違いも大きいかな。前作のラスベガスは街の雰囲気自体がどんちゃん騒ぎって感じなので主人公たちがどこでどんなバカをしでかそうとも「まあラスベガスだし」で笑い飛ばせたんだけど、今回はバンコクだから…。
「あんまり人様に迷惑かけるなよ……」と複雑な心境になってしまった。

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デス・コレクターズ(2006/ジャック・カーリイ著)

デス・コレクターズ (文春文庫)
デス・コレクターズ (文春文庫)
mobileデス・コレクターズ (文春文庫)

死体は蝋燭と花で装飾されていた。事件を追う異常犯罪専従の刑事カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が鍵だと知る。病的な絵画の断片を送りつけられた者たちが次々に殺され、失踪していたのだ。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入、複雑怪奇な事件の全容に迫ってゆくカーソン。彼を襲う衝撃の真相とは?


ふらりと立ち寄った本屋でまずタイトルが気になって、それからビビッドな表紙に脳を射抜かれて予備知識もなにも無しにレジにダッシュした本。
あとあと調べてみればシリーズの二作目とのこと。
一作目は「百番目の男 (文春文庫)mobile)」。
が、読むのには特に差し支えありませんでしたので、お好きな方からゲットしていただいてよろしいかと。

閑話休題。思わぬ出会いを果たした本書ですが、これが意外な大当たり!
主人公はカーソン・ライダーという名前の30代男性。本書はカーソンの一人称で進み、人物紹介では“僕”となっています。
アラバマ州モビール市警察本部のPSIT〈精神病理・社会病理捜査班〉に所属する刑事であるカーソンはたくさんの傷を抱えています。
主に子供時代に帰依する傷。連続殺人犯である兄の事、その兄に殺された父親の事、亡くなった母親の事、そして最近では、別れた恋人の事など。

だから、と結びつけてしまっていいのはわかりませんが、カーソンには妙に子供じみたところがあります。
感受性が豊かで優しいキャラクターは女性受けはよさそう(私も好き)だけど、男性はイライラする人もあるかも。

そんな彼の相棒はハリー・ノーチラスという大柄な黒人男性で、カーソンよりも少し先輩。車の運転がダイナミックなご様子。
時折のぞかせる哲学者的な人生観が魅力的なひとです。
カーソンに足りない部分をうまく補いつつ、それでいて主張しすぎないあたりバランス感覚のいいキャラクターだと思う。

いきなりキャラクターの話から入ってしまいましたが、この著者は主人公の内側に読者を招き入れるのがうまい。
気がついたら完全にカーソンに感情移入して、いや、それどころか彼になりきって事件を追ってたくらい!
カーソンが何かを感じるたびに、うちひしがれるたびに、そして胸を高鳴らせるたびにこちらの感情までもが揺さぶられ、引っ張られる。
カーソンが感じたその通りにほかの人物たちを感じ、物事を感じる(これ、一人称小説として大成功ですよね)。

変化が顕著だったのはディーディー・ダンベリー。
テレビリポーターの彼女はとにかく図々しいし、最初はなんてカンに障る女なんだろうと憎々しかった。
だけど彼女とカーソンの関わりかたが変わって来るに連れ、そしてカーソンの気持ちが揺れ動くにつれて、彼女の何もかもが変わって見えて…不思議。

翻訳にこれといった癖はなく、この点で好みが別れることはなさそう。
キレのある比喩表現が楽しいです。
嘘をつくなという意味合いを「フィクション製造機のスイッチは切りましょう」と表現するとこなんかたまらんわー。
どの程度捜査に進歩があったのかはっきりしないが、少なくとも埃のなかに頭を突っ込んで天文学を習い、星はいつ現れるのかと尋ねている気分ではなくなった。
これも好き。こんな面白い表現、頭のどこを引っ掻き回したら出てくるのか不思議でならない。

プロットもよく練られています。
小さな謎をあちらこちらにちりばめることで本筋について考えさせない=答えを先読みさせないようになってる。
悩ませはするけどじっくり推理する間を与えないあたりが巧いです。
まるで謎のひとつひとつが主を護る有刺鉄線のように鋭く複雑に絡み合って、それでいて何一つとして余分なものはなく、最後にはすべての糸がひとつところに収束してくれるのが気持ちいい!

メインモチーフの『不気味な絵画』については最後に本当に意外!な真実が用意されていて、これが一番のどんでん返しだったかもしれません。

本書は手に汗握るサイコサスペンスであり、複雑に絡み合った謎解きミステリでもある。
ジェットコースターのようなめちゃくちゃなスピード感こそないものの、読者の心臓を掌握し、徐々に心拍数を高めていくドライビングテクニックは見事としか言いようがない。
この乗り物からは途中で振り落とされる危険はありません。どなたさまもご安心のうえお楽しみください。

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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009/アメリカ)

ハングオーバー! [DVD]
ハングオーバー! [DVD]
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結婚式を2日後に控えたダグは、親友である教師のフィル・ウィネック(フィル)と歯科医のスチュアート・プライス(スチュ)またはDr.Faggot、そして婚約者トレイシーの弟のアランと共にバチェラー・パーティー(独身さよならパーティー)として、ラスベガスを訪れ、シーザーズ・パレスに滞在する。 だが翌朝、酔いつぶれていたフィル達が目を覚ますとダグは消えており、スチュは歯が一本抜け、トイレには虎が出現し、クローゼットには赤ん坊がいるという意味不明な状況に陥っていた。どうしてこうなったのか、そしてダグはどこへ行ったのか、窓のない部屋での記憶を彼らは二日酔いの頭で必死に思い出そうとする。


ドタバタコメディに謎解き要素を付加した作品。
基本はコメディですが、伏線がきっちり張られておりミステリとして破綻のないところがいい。
空白の時間に何があったのか?をわずかな手がかりをもとに徐々に拾い集めていく3人の奮闘はサスペンス的なハラハラをもたらしてくれる。

テンポは良く言えば緩急がついている、悪く言えばグダグダシーンも多いです。
個人的に、コメディはガーーーッ!と突っ走るようなスピード感あるものが好きなのでこれは微妙かも。
さらに男4人が集まれば自然と下ネタが多くなるもので、直接的な単語も多数出てきますのでそういったノリが苦手な方は注意…っていうかやめといた方がいいです。
そもそも根底にあるのが『男の友情ストーリー』であるからして、これは男性の方が楽しめる映画だと思う。

全体を通じてクスッとくる場面は多かったものの、煽り文のような抱腹絶倒にはほど遠い。

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うさぎ

\降りられへん……/
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\はよ降ろしてぇ/
DVC00162

ペットボトルガードをすり抜けた…だと……?

プチ脱走2回目。
前回同様サツマイモの葉っぱを根っこまで食い散らかされました。
どう見ても全滅です、本当にありがとうございました。

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うさぎ

昨日のAVPおもしろかった(*´ω`*)
萌えた萌えた。やっぱりスカレクは素晴らしいな…

DSC_2259.jpg

リビングで昼寝しようとしたらうさぎがうるさかった

タッタッタッタッタ…… ←サークルの中を走ってる
ポリポリポリポリポリポリポリ ←ペレット食ってる
タッタッタッタ… むっ♪むっむっ♪ ←なぜかごきげんで鼻を鳴らしている
もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ ←牧草食ってる
ガタッ! ガタガタッ! ←トイレを動かして遊んでる

私「…コラッ!」

シーン………

………タッタッタッタッタ……
うさぎなんやから昼間は寝とけや!!!


拍手押してくださった皆様ありがとうございました!
滅多にないコメントまで…!ありがたやー。続きからお返事です。

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トゥー・ウィークス・ノーティス(2002/アメリカ)

トゥー・ウィークス・ノーティス 特別版 [DVD]
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弁護士のルーシー・ケルソンはとても正義感の強い女性で、社会奉仕活動にも積極的に参加していた。彼女は地元ニューヨークの歴史ある公民館の取り壊しに反対するため、取り壊しを強行しようとしている最大手の不動産企業ウェイド社のCEOであるジョージ・ウェイドに直談判を試みる。一方ジョージは、優秀な弁護士を捜している最中だったこともあり、ルーシーの度胸を気に入り、彼女に公民館取り壊しを白紙にすることを条件に自分の下で働くよう提案する。こうして出会った二人だが、性格や価値観の違いから衝突を繰り返していく。だが、次第にその関係に変化が起こる。


意外と笑える良質ラブコメでした(*´∀`*)
『はいここで笑って!』って押し付けがましさがぜんぜん無くて、話のテンポを損なわないフットワークの軽いネタばかりなので素直に笑える。
ジョージに「僕専用の新しい封筒を作ったんだ。どっちがいいと思う?」って二種類の封筒を見せられたルーシーが「どっちも同じじゃない? あー…でも味がマシだからこっち」って答えるシーンがやたら気に入ったw

というか、決断が適切かつ素早いルーシーと何事に対しても優柔不断で他人任せなジョージのコントラスト自体がもう面白い。
なんか二人ともキュートなんです。
美しい、カッコいいじゃなくてキュート! 自然と応援したくなってしまう。

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イナフ(2002/アメリカ)

イナフ コレクターズ・エディション [DVD]
イナフ コレクターズ・エディション [DVD]
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優しく裕福な男性ミッチと結婚した元ウェートレスのスリム。リッチな邸宅に住み、娘も生まれ、それは誰もがうらやむ優雅な生活。だがある日突然、幸せな日々は悪夢へと一転する。夫は、欲しい物はどんなことをしても手に入れ、妻でさえ物として扱い、それを“愛”と賞する支配欲の塊だった。逃げようとするスリムを夫は力づくで阻止する。その“愛”が執拗に彼女を追いつめる。逃げられない…。そして遂に、窮地に立たされたスリムが究極の決断を下すーー!


途中で飽きる事はないが、かといって食い入るように観てしまうような内容かと言うとそれも違うし…「まあまあ」という言葉がぴったりくるような映画。
主人公と同年代の主婦が一番感情移入しやすく楽しめるかな。

前半は主人公が幼い娘を連れてあちこち逃げ回る話。
家を出るまでは案外あっさり達成できたものの、地位もお金も人脈もある夫が姑息な先手を打ってくるためなかなか上手く動けず…このもどかしさにジリジリさせられました。
そんな中、いっぱいいっぱいの主人公がいろいろとミスを犯してしまうところにまたジリジリ。
たとえばよかれと思って警察に駆け込まなかったことが後々になって自分の首を絞める要素となり、法律事務所からも見放されるはめになるのですが、このへんの伏線の張り方が巧い。
しかし友達はともかく、後見人のおっさんはもうちょっと彼女のためになにかしてやれんかったか…。

問題は後半だ、後半。夫と戦うためにどっかのインストラクターにトレーニング受けるとこで「えっ…?」ってなった。
旦那の家に忍び込んで武器仕込みまくり+通報させないために電波妨害装置を設置+金属探知機使って銃の捜索とかいきなり映画のジャンル変わりすぎだろと。
制作者的にはこっからのアクションこそが一番やりたかったことなんだろうけども、どうもこの映画のテーマと噛み合ってない。
肉体ではなく精神を鍛えて夫に報復する内容の方が綺麗にまとまったのではないかと思う。

賛否が分かれそうな『相手を殺してハッピーエンド』は、この映画に関しては逮捕させても無駄(すぐに保釈金で出てくる、報復される)という説明が事前になされていたため「まあこれしか無いんだろうな」と案外すんなり納得できた。

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ひとにぎりの未来(1980/星新一・著)

ひとにぎりの未来 (新潮文庫)
ひとにぎりの未来 (新潮文庫)
mobileひとにぎりの未来 (新潮文庫)

41編のショートショートが収録されています。

とある小さなサーカスで見世物にされていた、身長20センチほどの“コビト”。毎日のように小突かれ放り投げられの扱いを受けるコビトを見かねた一部の人間達が「コビトにも人権を認めるべきだ」と騒ぎはじめ……
そんな『コビト』は人間の身勝手な正義感を皮肉った内容かと思いきやまさかのどんでん返し系。しかしもしも真っ向からの戦いになれば、戦争という大義名分を掲げてコビトを一掃することも可能なのでは。

とある防犯会社の金庫室から大金が盗まれ、その晩「怪盗X」と名乗る人物から電話が入る――「私はこれから自首するつもりです。しかし防犯装置の販売会社がまんまと泥棒に入られたなんて世間に知れたら評判はどうなるでしょうね?」
出だしからは予想だに出来ないビジネスライクなオチにクスッとくる『怪盗X 』。

強盗を成功させた三人の男を描く『成熟』。
彼等は隠れ家で交代制の見張りを行っていた。そんな中、ふいにAがBに言う。「Cを殺して現金を山分けしないか」。交代の時間になった。すると、なんとCが同じ提案を持ち掛けてきたではないか。「一緒にAを始末しないか」と……
軽快で可笑しく、だけどもどかしい三人のやり取りの中に他人を信じることの難しさが詰まっている。大人になればなるほど薄れてしまう、他人を信じること。成熟するとはそういうこと。

エヌ氏は帰り道の途中である男に目を奪われた。なんとはない男なのだが、なぜか気になる。すると男はポケットから円盤を取り出し、それに乗って夜空に飛び去ってしまった。肝をつぶしたエヌ氏は通りがかりの女に今の話を聞かせようとするが、その人もまたポケットから円盤を取り出して……
流行とはなにかを星氏が書くとこうなるのか。なるほど確かに的を射ている。 その名も『はじまり』。

とある未来。人口爆発により、人々は誰もかもが実験動物の檻のような狭い部屋で暮らしていた。今の生活に疑いを抱かぬよう人々は絶えず監視され、思考を統制される。外の風景はもはや針山の如しで、無機質な高層ビルが隙間なく並んでいるばかり。それでも主人公の男は今の生活に幸福を感じていた。
そんな『爆発』。氏は人口増加にまつわる話をいくつも手がけていますが、中でも一番恐ろしく、かつ脱力感に満ちた話はこれに違いない。真剣に読んでたのにまさかの禁断オチ…(笑)
最終的に『欲望の城』みたいな展開になりそうで心配ですね。

かくれ家』は強盗をやってしまってから不安でたまらず町すら出歩けない状態の男を追った話。
ある日とうとうたまりかねて精神科を訪れた彼に、医者が勧めてくれたとあるバー。そこでは彼のような犯罪者を安全に匿ってくれると言うのだが……
すごくストレートなオチなのに先読みが出来なかった。おもしろい。

うだつのあがらない男と、そんな彼に失望している女の夫婦があった。ある日妻が妊娠の兆候を示す。ところが医者の診断によりそれが想像妊娠であると判明。しかし納得しない妻は別の病院へ行き、結果、望み通りの診断を得る。驚いた夫は診察を下した女医を問い詰めるが「奥様は確かに妊娠しています」と真剣な様子で答えるだけ。そればかりか妻のお腹は日に日に大きくなって……
というあらすじの『くさび』。これ、正直意味がわかりません。男と女で見えているものが違うってことをホラー風味に表しただけ? 夫には見えないし声も聞こえない子供を視認しているのが女性の登場人物だけってところから見るにその線が濃厚かと思うのですが、でもなんかしっくりこない気も…。

インパクト大の『番号をどうぞ』。
国民全員に異なる番号が割り振られ、なんでも数字で管理されている時代。ボートの転覆事故で財布をなくしたエヌ氏はひとまず濡れた服を取り替えるために洋品店に行った。店員は言う。「クレジットカードの番号をどうぞ」しかしそんなものを覚えているはずもなく、エヌ氏は金を下ろしに銀行へ。しかしそこでも通帳の番号を求められる。警察に助けを求めども、市民カードの番号がなければだめだと突っぱねられ……
ちょっと変わったSFホラーみたい。
数字という揺るぎないものに頼り切ってしまうと、こういった融通のきかない世界になってしまうのもさもありなんと思わせる。近い将来本当に訪れそうな、もどかしい未来の話で印象的です。

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