殺人鬼と宇宙人とうさぎ。

Category Archives: ファンタジー

レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース(2010/フィンランド)


クリスマス・イヴを迎えた北フィンランドの田舎町。サンタクロースが恐ろしい存在だと信じる少年ピエタリは、不安な夜を過ごしていた。そんな中、国境付近の山に封印されていた本物のサンタクロースが、欲深い多国籍企業の社長によって掘り出されようとしていた。時を同じく、町では不可解な事件が連続する。事態の真相にいち早く気づいたピエタリは、町を守るため、勇気を振り絞って行動を開始する。

原題:RARE EXPORTS/RARE EXPORTS: A CHRISTMAS TALE

ずっと気になってたこの映画。
サンタによるフィンランド人大虐殺血みどろホラーかあるいはフィンランド人によるサンタ狩り血みどろホラーか!?…なんて勝手に予想していましたが、思いのほかスローテンポなファンタジックホラーでした。
いや、じゃなくてブラックジョーク映画かも?

ずっと大人しい展開が続いてたのが、あるときを境に急にSFファンタジーみたいなダイナミックなノリになっちゃうのが良くも悪くも独特な…
でもよく考えたら最初の設定からしてSFファンタジーなのか。

前提を説明するパートが長かったわりには主人公の少年、ピエタリへのスポットライトが乏しく、クライマックスでは彼に別人格が乗り移ったのかと思いました。
自己犠牲の説得力もどうにも見当たらない。
この悪ふざけの極みみたいな映画を、少年の成長譚としてまとめようとするのには無理があると思う。

タイトルのRARE EXPORTSはあまり耳馴染みのない言葉ですが、最後まで見るとスッキリサッパリ納得できるのと同時に「サンタはうちが発祥の地なんだからね!」というフィンランド人の魂からの雄叫びを感じることができるという秀逸なカラクリが秘められています。

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エヌ氏の遊園地(1985/星新一・著)


31編のショートショートが収録されています。

人質』は強盗犯が子供を盾にして警察を振りきろうとする話で、犯人の芸人歴と露出がどれ程のものかにもよるけど調べればすぐに足がつきそう。

工場の経営に行き詰まったエヌ氏のもとに、不正に火災保険金を手に入れる方法を持ち込んできたセールスマン。エヌ氏はさっそく契約を交わすも案の定……な『波状攻撃』。行くところまで行ったらなにが出てくるのか気になる。

少年による損傷事件の裁判を傍聴したエヌ氏がその判決に陰謀めいたものを感じとる『危険な年代』はタイトルを利用したどんでん返しが鮮やか。

金の儲かる薬を開発したエヌ博士の研究所に強盗が押し入った。強盗は博士が苦心して作り上げた薬を飲み干してしまい……。強盗が純真すぎて笑う『秘薬と用法

商売がたきを絶対に足がつかない方法で始末してくれるという女とエヌ氏を巡る『殺し屋ですのよ』。このオチには驚くやら感心するやらでいちばん初めに読んだときから忘れられない話です。

偶然にも発明した人工の幽霊を使って、金儲けをたくらむ男とその甥っ子を書いた『うらめしや』。二人はさっそく研究室を改装して本格的なお化け屋敷を作り上げた。外には噂を聞きつけた人々の長蛇の列、準備は万端と思われたが……幽霊がかわいいオチ。

夢の中の部屋に自分が欲しいものが次々現れるという『欲望の城』はバッドエンドが回避不可能なだけに怖すぎる。
私なら手芸用品で窒息死が一番ありそう。
欲しいと思ったものならなんでも(生き物でも)出てくるというならもっとすごい惨劇がきっと……。猫にうもれて圧死とか小鳥まんじゅうで熱死とか。

エヌ氏が古本屋で買ってきた一冊の本。いかにも怪しげなその本には魔法を起こすための手ほどきが綴られており、エヌ氏はさっそく必要な道具を集めに出かける。そんな『よごれている本』。
捧げ物の質を求めるのはごもっともだけど、ラテン語が完璧に読み書きできる知性をもち、そのうえ好奇心と行動力を備えた上物だけを狙うのはあまりにも非効率なような……
特にラテン語なんて年月が経てば経つほど習得者が減っていくばかりなんだから。次に呼び出されるのは何年、何十年後?

二人の泥棒が逃げ込んだとある列車での話、『逃走の道』。
深夜のレールを超特急で駆け抜ける車内のその異様な光景を想像すると寒気が走る。そして列車はもっと恐ろしい終焉に向けて走り続ける…

クリスマス・イブの出来事』。クリスマスに町に降り立ったサンタクロースを題材とした話には他に『ある夜の物語』がありますが、こちらは世知辛い話。

江戸の幽霊から電話がかかってくる『依頼』。
ぐれた科学者もどんどんこの世を去っているいま、もはや霊の世界は人間の世界より進歩しているという設定に深く納得させられた。
それにしても、いくら偽金とは言っても江戸時代に作られたものならそれはそれで価値がありそうな気も。

飛行機の墜落事故に巻き込まれる夢を幾度となく見てきたエヌ氏。夢のお告げと同じ13日の金曜日、彼は上司から出張の同行を頼まれた。それには飛行機に乗らなければならず……。
夢と対策』。ここまでくると、地下にこもったとしても安全だとは思えない……ファイナルデスティネーション的に考えて。

夕ぐれの車』は二人の男が資産家の子供の誘拐を企てる犯罪もの……と思いきや全く予期しない方向へと話が転がっていく面白い内容。スカッとするわけでも感動するわけでもないけど、不思議な余韻が残る。

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ゴースト・スクール(2012/スペイン)

ゴースト・スクール [DVD]
ゴースト・スクール [DVD]
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モデストは学校の教師。幽霊が見えて、話もできる能力のせいで、次々と学校をクビに。そんな中、新しく赴任した学校で、本領発揮のチャンスが。そこでは、5人の不良生徒の亡霊が居座り、学校を荒れさせていたのだ。モデストは、なんとかして彼らを「卒業」させ、学校を元の状態に戻さなければいけない。しかしこの生徒たちには、学校を離れられない事情があり、モデストは生徒たちに協力し、卒業を目指して奮闘していくのだった。

原題:PROMOCION FANTASMA

主人公のモデストは、幽霊が見える特異体質のせいで子供の時分からずっと変人扱いされてきた男。
特にティーンエイジャー時代、パーティーでそうとは知らず幽霊の女の子と踊ってしまい(周りからすれば彼が一人で踊っているようにしか見えない)さんざん笑われた経験は今でもトラウマ。
誰にも理解されない彼は、ずっと心を閉ざしたまま生きてきた。

だけど件の学校でとうとう出会ったのです…始めて自分を肯定してくれる相手に!
それまでどんよりとしてたのが、「あなたの能力は素晴らしいわ。あなたはまともよ」と言ってもらうや否や、急に晴れ晴れとした表情&うきうきした足取りになって町を闊歩するシーンには大いに笑いました。

きっと彼は幽霊が見えること自体がどうこうじゃなく、誰にもわかってもらえないことが辛かったんじゃないかな。
だってそれからは町中にいる幽霊にも自分から進んでコンタクトを取るようになるし。
ずっと死んでいるみたいに生きてきたモデストも、自分の能力を必要とされて始めて、これまでの自分から“卒業”できたのかも。


学校に住み着いている幽霊5人組というのは、妊婦のマリヴィ、本と音楽が好きなアンヘラ、酔っぱらいのピンクフロイド、体育会系のホルヘ、そしてリーダー格のダニー。
全員不良生徒…ということになってますが、女性陣2名は案外素直。
男性陣3名はそれに比べると確かに反抗的ですが、不慮の事故で死んでしまったことと長年の幽霊生活で退屈していじけちゃってるだけって感じに見えます。
ダニーが特にいじけてる。

彼らは80年代に学校で起きた火災によって命を落とし、それからずっと現場となった旧図書室(現在は閉鎖中)に住み着いてるの。
学校の敷地外には出られず、たまに教師や生徒を脅かして憂さ晴らししながら毎日過ごしてるらしい。
そんな中、ホルヘはゴス娘のエルサと出会うのですが、この二人の交流には大いにときめきました(*´`*)
友達も恋人もいないエルサは「生きていても楽しくなんてないし」と言って、ホルヘと一緒になるために自ら命を絶とうとするのですが…。


上で述べたように外に出られない彼ら。
もういい加減に成仏したい…という気持ちもあるようです。
教育委員会の視察を目前に控えた学校としても、彼らにはなんとしても出て行ってもらいたい。

そこでモデストが考えた成仏作戦は、彼らに勉強を教えてここを卒業させること。彼らの未練は高校を卒業出来なかったことだと考えたのですね。
やがて、そのかいあって全員を卒業させることに成功!
…が、何故か誰一人として成仏ならず。

実は本当に必要なのは『5人それぞれの“心残り”を取り除いてやること』だったのです。

マリヴィは彼氏のことが気になっているから、ピンクフロイトはもう一度ディスコで踊りたいから…
そして一番大きな心残りを抱えているのがダニー。それは彼らの死因にも関係する秘密。

正直、油断してたら何度も泣かされてしまった。
けど余韻はとっても爽やかで、リフレッシュしたい時にオススメ。気になったらレンタルして損はないです。
ハリウッドリメイクされるらしいけど、確かにこれはハリウッド向きのノリ!
そっちも早く観たいな~、楽しみ(が、製作がウィル・スミス……また息子ゴリ押しする気じゃないだろうな)。

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予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー(ジョン・コリア著)


予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー (扶桑社ミステリー)
mobile予期せぬ結末1 ミッドナイトブルー (扶桑社ミステリー)

意想外の設定と冴え渡るラストのひねり。稀代のアンソロジスト・井上雅彦が贈る、海外異色作家短篇シリーズ、ついに始動!第一巻では、異才ジョン・コリアの傑作集をお届けする。皮肉な笑いと綺想あふれる作風で知られる名手の短篇から、未訳作と個人集未収録作を中心にセレクト。犯罪者に待ち受ける意外な陥穽を描く表題作ほか、美食ミステリーのパロディ作「完全犯罪」、天使と悪魔が恋の駆け引きを繰りひろげる「恋人たちの夜」など、犯罪と恋愛をめぐる珠玉の16篇を収録。

この本の話はどれも、完全な料理を提供してはくれない。
客は供された料理に自らの手で最後のスパイスを一振りしたり、シロップをかけたりしなければならない。与えられたものをただ口に運べばいい、と言うわけにはいかないのです。

タイトルこそ予期せぬ結末だけど、実際は一本道をたどるような作品が多い。
そしていずれの作品も、行間を読む能力を求められます。いかに想像力(いや、妄想力と言い換えてもいい)を膨らませられるかに全てがかかってる。

私にとっては正直ハズレ本でした。
剃刀の切れ味のサスペンスやミステリや180度ひるがえるどんでん返しが食べたかった…。
ジョン・コリアの世界は始めての私ですが、この本を読んで他の著作も読んでみたくなったかと言うと…残念ながら。

この著者の作品は、一言で表すならば『』(あ、これじゃ一言じゃなくて一文字だ)。
どの話にもとらえどころのない空気が漂い、煙に巻くような幕引きも多い。

「なるほど!やられた!」ではなく、「お、おう。」って感じ。どうしても腑に落ちない話もいくつかあった。
短編だけどサラサラ読んじゃダメ。一語一句噛み締めるように頭に叩き込みましょう。
その末に自分の中でパズルのピースが見つかった瞬間は気持ちいい。この感じが好きな人にはたまらんのかも。

最後にスパッ!と決めてくれる話が好きな人にはおすすめできません。

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ドラゴン・ナイト(2011/アメリカ)


ドラゴン・ナイト

核戦争によって荒廃した地球。そこはまるで中世のような、剣と魔法に支配された世界であった。人々の希望をかなえるという、伝説の秘宝を手に入れる為、旅を続ける騎士ザンは、突如、暗殺者の群れに襲われ、命からがら“シャドウランド”と呼ばれる荒野に逃げ込んだ。しかし、そこは恐るべき魔物が棲む、禁断の土地であった……。

原題:DARK NEMESIS

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資金の乏しさがそこかしこからにじみ出ております。
オープニングの映像が明らかにどっかの資料映像だった時点で嫌な予感はしてた。

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背景は絵。ここまで貧しさを前面に押し出されると泣ける……

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メインテーマは幼い頃ドラゴンに両親を殺された主人公の復讐劇…のはずなんだけど、蓋を開けてみればカタルシスがみじんも無いふにゃふにゃストーリーでした。
印象に残らないのは、セリフによる説明・進行が多いから。
サイドストーリーにメインテーマが埋もれちゃってるよ!そのサイドストーリーもつまんないから救いがないよ!

更に家庭用のビデオカメラで撮影しているかのようなアングルやズーム、それに手ブレの数々が余計に悲壮感を煽ります。
アクションも学芸会レベルという有様で、見事なまでに見所なし。
あと剣は出てくるけど魔法なんてなかった。

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アドベンチャー・オブ・スノーホワイト(2012/アメリカ)

アドベンチャー・オブ・スノーホワイト [DVD]
アドベンチャー・オブ・スノーホワイト [DVD]
mobileアドベンチャー・オブ・スノーホワイト [DVD]

昔々、ホワイトヴェルという王国に白雪姫という美しい王女がいた。王国を支配する“黒の女王”は、義理の娘である姫の美しさを妬み、悪魔の森に追放。魔獣に追われた白雪姫は、7人の妖精に命を救われる。その頃、隣国ノースファリアの王子は、白雪姫を愛するあまり黒の女王が仕掛けた罠に落ちようとしていた。女王の狙いはノースファリアの秘宝“緑の炎”を奪い、永遠の権力を手にすること。それを知った白雪姫は、女王に戦いを挑むことを決意。人間と魔物と妖精が入り乱れ、世界の運命を決める最終決戦がはじまる!!


ガッカリクオリティのCGは(もはや見慣れてしまったので)許す。セットだってテレビ映画であることを考えれば十分だ。城の使用人が少ないってレベルじゃないのも目をつむろう。
だけど雪のように白い肌血のように赤い唇黒檀のように黒い髪を持つ少女」であるはずの白雪姫が金髪で青いドレスって( ・ω・)つナンデヤネン
それ白雪姫ちゃう、アリスや!

しかもおこがましいことに原題は「Grimm’s Snow White」。やめろ、そんなので白雪姫を名乗るんじゃない。
それからエルフについても、せっかくなのだからもう少し人間とは異なる空気感を持たせてほしかった。ただ特殊メイクで耳を長くしてあるだけなのはちょっと違う。

キャラクターの外見はさておき、ストーリーは原作を残しつつテンポよくアレンジされており、エンターテイメント性に富んだものになっています。
王子が白雪姫のキスで生き返る(正確にはエルフの力なんですが)ってのが面白いね。

最大の見せ場である最終決戦シーンは、あらすじの『人間と魔物と妖精が入り乱れ、世界の運命を決める最終決戦がはじまる!!』から想像されるような大層なものではありませんし、チャンバラアクションをスローモーションの多用でごまかしてる感はありますが、でも燃える展開です。
ただ決着の着け方が少々雑な印象。
それに女王の軍隊、あんなにたくさんいたのに実際に戦ってるのが少数すぎない…?

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白雪姫と鏡の女王(2012/アメリカ)

白雪姫と鏡の女王 スタンダード・エディション [DVD]
白雪姫と鏡の女王 スタンダード・エディション [DVD]
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白雪姫は18歳。幼い頃に父親である国王が亡くなって以来、継母の女王に城に閉じ込められていた。宝石やドレスが大好きなワガママ女王のせいで、今や王国は破産寸前。女王は隣国のリッチでハンサムな王子と結婚することで、富も愛も手に入れようと企む。だが、王子は白雪姫と恋におち、怒った女王は姫の殺害を命じる。森に逃げ込んだ白雪姫は、7人の小人のギャング団に仲間入りし、様々な戦術や知恵を教えられる。果たして白雪姫は、お姫様から“ヒーロー”へと成長し、王国を取り戻し、王子の愛を勝ち取ることが出来るのか―?


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まずはアニメーションとともに進行する、女王(ジュリア・ロバーツ)による過去の語り。
これが何とも言えず心地よく、この人ってこんなにいい声してたんだ!と感動。

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そしてインパクトありすぎな白雪姫
同意見多数だと信じてるけど、正直「え……?」って思いました。
でも!この子がね!どんどん可愛く見えてくるんだよ!っていうか実際可愛くなってるからね!

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白雪姫も好きなんだけど、自分に正直すぎで、美しく、どことなくコミカルな女王様も悪役ながら憎めないものがあります。
(憎めないのはのちのち手痛いしっぺ返しがあることがわかっているからかも?)
悪役女王らしく、自分の贅沢のために「パンこそ肉、貧しさこそ幸せ」なんていう意味の分からない理屈付けのもとに貧民から税を搾り取ろうとするんですけどね。迷言だなコレ。

ところで、増税の(表向きの)理由というのが『森に潜む怪物から民を守るため』。
てっきりただの口実かと思いきや、実在していたのはちょっとした驚きでした。その正体には実は秘密があったり。
ただ、造形が安っぽいドラゴン(どことなく中華テイスト)だったのは残念だったかなー。この子だけ世界観から浮いているような気がしました。

そして女王といえばやっぱり『鏡』。
困ったことがあるたび「魔法でなんとかして」と命じる女王に対して、鏡はいつも「代償を支払う?」と問うのです。
この代償とはなにか?についてはラストで明かされます。


7人の小人の小悪党っぷりがまた面白い。
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もうね、ものすごい勢いでスレてるから。
そもそも彼らの“お仕事”からして、森の通行人を襲って金品を巻き上げることですからね。
原作のイメージどこいったんだよ!最高です

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こんな感じで巨人に扮して出撃です。


白雪姫のハズが、なぜか不思議の国のアリスのネタが。アリス好きなので嬉しい。
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衣装もセイウチだとかニセウミガメだとか、チョイスが渋い!


恋愛要素は決してクドくなく、でもだからこそ萌える。
女王にうまく言いくるめられている王子と、女王と戦うことを決めた白雪姫。
お互い好きなことに変わりはないんだけど…というもどかしいすれ違いも定番ながらグッとくるものがあります。

王子と女王の結婚が決まって涙ぐむ白雪姫に対する小人たちのセリフがいいな、と思う。
「彼女どうしたんだ?」「王子が好きなんだよ」「昨日殺されかけたのに?」「それが恋ってもんだ」
そう、それが恋ってもんなんです。

その王子も初登場でこんなんされます(笑)
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全体的に隙のあるキャラで固めてあるところが親しみやすさの秘密なのだと思う。


最後に、『白雪姫』の一番のキーワードである毒りんごをああいう風に使うとは思いきった決断をしたなーと思ったけど、かえって印象的になってよかったのかもしれませんね。
童話アレンジは近年の流行らしいですが、原作の骨組みにちょちょっと色づけをしただけの映画が多い中、これはそういった作品群と一線を画す存在であることには間違いない。
ファンタジックでありながら、どこか現代的でスタイリッシュな空気感があって、笑えて元気になれる良作でした!

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エンバー 失われた光の物語(2008/アメリカ)

エンバー 失われた光の物語 [DVD]
エンバー 失われた光の物語 [DVD]
mobileエンバー 失われた光の物語 [DVD]

地上からはるか深くに建設された地底都市<エンバー>。住人たちは地上へ出たことが無く、都市全体の電気を供給する発電機の光を頼りに生活していた。しかし、建設されて200年が経ったあるとき、エンバーでは何度も停電が起こり始める。発電機が限界を迎えていたのだ。暗闇の中で生活する時間が段々と増え、住人たちは「永遠に光が消えてしまう」という不安を抱えていた…。そんなとき、エンバー・スクールを卒業したばかりの少女、リーナが偶然、家の屋根裏で古びた箱を見つける。その中には妹のポピーのせいで虫食い状態になってしまったが、「出口」の文字が書かれた文書が…。もしかしてエンバーの出口の場所が書かれているかもしれない、と考えたリーナは、その文書をもとに、少年ドゥーンと共に光を求めて冒険の旅に出る――!

原題:CITY OF EMBER

学校を卒業するのと同時に、くじ引きによって生涯携わる仕事を与えられるエンバーの住民。
その内容は受け付けや電気工や清掃業などさまざまですが、芋の皮むきって何……死ぬまで芋の皮だけをむき続けるの?何その暗黒事業。
ともあれリーナはメッセンジャーに、ドゥーンは配管工に就職。

そんな二人が織りなす、良くも悪くも軽いノリで描かれた冒険記がこの映画。
『エンバーからの脱出』を追うことに終始しており、彼らがこんなにも長い期間地下で暮らすことになった背景が不明瞭なことが物語の奥行きを削いでしまっているような。
だから物語に入り込みにくいし、登場人物に感情移入もしにくい。
最初に人間が住めなくなってしまった地上の風景を、最後に200年の間に再び美しさを取り戻した地上の風景を入れてコントラストを演出すれば、少なからず感慨も湧いたのではないかな。

“地上”という存在そのものを知らない子供たちが“地上”の手がかりを示すヒントを得て今の生活に疑問を抱いたり、恐れたり、葛藤したりという描写がもっとあればよかった。
彼らにとって“地上”の存在は自分たちの世界を根底から揺るがす一大事だし、だからこそあんなに迷いなく外の世界に出て行こうとするなんて、普通は考えられないから。
(リーナが青空の絵を描くシーンがあるので、もしかしたら地上の存在自体は知っているのかも?)

不思議な話だけど、この映画の一番の足枷は製作陣もキャストも一流だという事実じゃないかと思う。
これがTVMだったら文句無しに「ええやん!」って手を叩いているはず。


ところで。
200年の間に何があったのか知りませんが、この世界ではどういう訳か人間以外の全ての(多分)動物が巨大化しています。
(実は人間が小さくなっていたってオチだったら面白かったのにw)
なにせ、蛾が中型犬くらいの大きさ。
撒き散らす鱗粉の量を考えるとオエー!ですが、それをしのぐインパクトを備えていたのが巨大ホシバナモグラ。
こんな生き物です。これがカバくらいの大きさなのを想像してください。

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正直勘弁してほしい。深海でしか許されねーだろこの造形は……
鼻が星形だからホシバナモグラ、ってオブラートに包みすぎ。どっちかって言うと物体Xです。

最後は地上に開いた穴から地下のエンバーがまっすぐ見下ろせるという演出がなされているのですが、ってことはエンバーからも地上の光が見えることにならない…?

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ジェニィ(ポール・ギャリコ著)

ジェニィ (新潮文庫)
ジェニィ (新潮文庫)
mobileジェニィ (新潮文庫)

突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、大好きなばあやに、冷たい雨のそぼ降るロンドンの町へ放り出された。無情な人間たちに追われ、意地悪なボス猫にいじめられ――でも、やさしい雌猫ジェニィとめぐり会って、二匹の猫は恋と冒険の旅に出発した。


日本には三途の川の言い伝えがありますね。
そういったことを踏まえた上で本作を考えると、ピーターが海を渡って見知らぬ土地に降り立つも、また元の地に戻ってくるというストーリーは興味深いものがあります(とはいえ西洋では多くは川ではなく門らしいですけど)。

一番最初に内容じゃない部分に触れるのはどうかと、自分でも思うんですけど、でもこれから読む人に一番注意を促さなくてはならないのは内容ではなく翻訳だと思うので、あえて。

文体が実に読みづらい!です。ここまでつっかえる文章を読んだのは久しぶり。
全体的に古めかしい言い回しだからでしょうか。
ピーターのしゃべり方も、とても八歳の子供とは思えないのです。 実際、訳された時代が古い(1979年)ので仕方ないとはいえ、コレは…。
「すまなかったね」「~だったと思うんだが」「残念でたまらんよ」「話してくれたまえ」ってお前どこのオッサンや。

ジェニィもジェニィでわけわからんことになってるし。

しかしその雌猫は優しくピーターのことばをさえぎって言った、「お黙りなさい!(後略)」

優し、く……?


ほかにもいくつか引用を。

(前略)父も母も来ていない。そんなことにピーターは驚きはしなかった。父は陸軍の大佐である。母はいつもせわしなくおしゃれしながら、ぼくをばあやに任せっぱなしにして、外出しないではいられないたちだからである。


ピーターはどうも自分が事故にあって、ひどい怪我をしたのにちがいないと思った。スコットランド生まれのばあやのそばにいたら、大丈夫だったのだけれど、広場の公園の柵のそばで、かわいらしい子猫が初春の日差しを浴びながら身づくろいしていたので、道路を渡ってその公園までかけていこうと、ばあやのそばからぱッと飛び出してしまってからのことは、あまりよく覚えていない。


ピーターはこれまで、騒がしい物音など怖がったことは一度もなかった。(中略)ピーターは、音というものが現在の自分にとって、全然違った意味を持っているということを知る暇など、それまでまったくなかったわけである。


ピーターが気づいたことは、その雌猫はとても痩せていて、本当に骨と皮ばかりと言っていいくらいなのだが、彼女に似合わぬこともないその骨ばっているという、そのこと自体の中に、一種の優しくていきな、雄々しさといったようなものがあることである。

日本語でおk。
ことことことこと煮込みすぎ。


すでにおわかりと思いますが一文のセンテンスが長過ぎるのです。朗読してみたらいい肺活量増加訓練になることでしょう。
とにもかくにも、「○○は××で△△だった。なぜなら●●は□□だからで……うんたらかんたら」こういった説明口調が延々ほど続く。


ファンタジーというものは、いかにして読者をその世界に抱き込むかが重要になってきます。
物語の始まりから終わりまで、突飛な設定に疑問を抱かせずにいる手腕が著者には求められます。
この翻訳のように一人称と三人称を混濁したり(原文からしてそうなっているのかもしれませんが)、不安定なグネグネした文体で読者を現実に突き戻すようではいけないのでは、と思う。
特に前半は描写よりも説明に重きが置かれているためか、ファンタジーを読むというより小難しい授業を受けているような気さえした。

この難点に目をつぶってまで読む価値があるかどうか。それは人次第です。
でももしあなたが猫が好きで、それもとってもとっても好きで、一度でいいから猫の世界を覗いてみたいと思っているとしたら、価値はある、と言い切ります。

誰か(人間だけではなくもちろん猫も含むよ!)を愛すること、探すこと、信じること、思いやること、求めること、心を通じ合わせること。
言葉にすれば簡単だけど出来ない人の方が遥かに多いこの感情の流露を、ギャリコは猫の目を通じて見事に描ききっているからです。

人間でさえ得難い複雑な感情のすべてを二匹の猫がしっかりと掴みとっていることに違和感を覚えないのは、いや、むしろ彼らが猫だから?
人間に捨てられた過去から人間不信に陥ったジェニィにピーターが「人間にもいい人はいるんだよ」と諭すくだりや、最初はジェニィに守られてばかりのピーターが自分の命をなげうってでもジェニィを助けようとするくだり、そして彼女のために恐怖に立ち向かおうとするシーンには胸を打たれた。


一方で、ふと我に返ったとき、なんと男性に都合のいい本だろうかと呆れもした。
だってそうでしょう? ジェニィって、まさしく世の男性が求めてやまない素晴らしく都合のいい女性像なんだもの。

どこまでも一途で、一人の男だけに尽くし、男のためなら自分の一番大切なものさえ捨て去って、それでいて男の浮気は不問に処す。
完璧な器量よしではないけど愛嬌があって優しくて明敏で賢くて夫を立てるのが上手くて、そして男の都合によって、最終的には夢のように霧散していなくなってくれる女性。


……いやいや、さすがに詰め込みすぎだから。夢見すぎだから。
猫好きなギャリコが、1匹の雌猫に永遠の女性の姿を託して…ってあるけどこれが本気の理想だとしたら相当…

この尽くしすぎるという部分が、私の中の猫様像と噛み合わなくて歯がゆい。

ラストもジェニィ視点で見るとあまりに救いがなくて、なんだか悲しくなってしまった。そうね、確かにピーターは成長できたかもしれないけどね。
いやー、荒んでるうえに性格の悪さが露呈してますねー。この話を素直に『幸せなお話』として受け入れるには、私の心にはちょっと隙間が足りないようだ。
ギャリコ氏の猫に対する優しいまなざしが伝わってくるようなお話であることに違いはないんだけど。
と、いうことで、心の汚れていない人におすすめしたい大人の童話でした。

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Dr.パルナサスの鏡(2009/イギリス、カナダ)

Dr.パルナサスの鏡 [DVD]
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数世紀前に悪魔との賭けにより不死の命を手に入れたパルナサス博士は、自分の娘を16歳の誕生日に悪魔に引き渡さねばならなくなり、苦悩していた。彼は自身の率いる、他人の想像の世界を垣間見る鏡の見世物を巡り、パーシーら古くからの仲間とともに興行を続けながら、何とか悪魔との賭けに勝利する手立てを画策していた。そんな折、博士はタロット占いの「吊られた男」のカードが示した、橋の上から吊るされた若者トニーを死から救う。助けられたトニーは商才を発揮して見世物を繁盛させ、博士の助けとなるが、悪魔との賭けのタイムリミットは目前に迫っていた…。


ヒース・レジャーが撮影中に急逝した事で急遽脚本を変更しなければならなくなった、その大変さがひしひしと伝わってきました。
残念ながら主に悪い意味で…。

とにもかくにも地盤がゆるい。バランス感覚が悪い。
もともと映像がウリの雰囲気映画なのでストーリーは二の次としても、これはちょっと不安定すぎる。
ストーリーの一番太い軸を開始1時間半も経ってからやっと説明するって言うのはちょっと悠長すぎやしませんかねえ…
誰一人として感情移入できるキャラクターがいない事もあって、私の場合、その頃には完全にこの映画に飽きてしまっていました。

これを観る予定の方は、先にあらすじに目を通しておいた方がいいです。
なんならネタバレサイトで情報収集したあとで観てもいいんじゃない?くらい。
なにせ予備知識無しでは間違いなく置いていかれます。物語が複雑なのではなくて、物語の“説明が”複雑だから…。
根っから娯楽映画としては作られていないみたい。監督の自己満足がにじみ出てるかな。

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