殺人鬼と宇宙人とうさぎ。

Category Archives: ヒューマンドラマ

グランド・イリュージョン(2013/アメリカ)

マジシャンとして一流の腕を持つアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)は、フォー・ホースメンというスーパーイリュージョニストグループを束ねていた。彼らはマジックショーの中で、ラスベガスから一歩も動くことなく、パリにある銀行から金を奪ってみせた。この件を受けて、次の計画を彼らが実行する前に食い止めようとFBI特別捜査官のディラン(マーク・ラファロ)が捜査を始めるものの……。

原題:Now You See Me

掴みは突然始まるマジックから。
無作為なカードの中から観客に任意の一枚を覚えさせ、そのマークをマジシャンが言い当てる…という定番のネタなのですが、画面の前で参加してたらまんまと当てられてびっくり!
“その”カードが目につきやすいように何分の一秒かのレベルで映像に仕掛けが施されてるとかかな?

お話としては、
“マジックを使ってここから一歩も動くことなく、銀行から現金を盗んでみせる”と豪語するマジシャン4人組による大掛かりな犯行の行方と真の目的、そして彼らを雇っている謎の人物は誰なのか?
がメインになっています。

ここぞと言う場面で活躍するのがマジックではなく催眠術であるところは、考えようによっては微妙。
マジックが売りの映画でCG多用なのも微妙。

映画ですから見た目のインパクトが大事なのもわかりますが、何から何までCGじゃなくって、現実的に演技可能なネタをメインに使ってほしかったな。
更に、近未来的なSFテクノロジーが登場しちゃうのも良くも悪くも、と言ったところ。

おまけに最後がちょっと尻窄み。引っぱって引っぱって引っぱりまくった末の種明かしにしてはアッサリすぎるような。
4人が自身のマジシャン生命と人生を賭けてまで挑んだ大掛かりな犯罪の動機にしては拍子抜けが否めない内容で、普通そこまでやる気になれないと思う…。
個人的にはこのテの話に恋愛要素を絡めてほしくない派ということもあって、その辺もちょこっとマイナス要素になってるかも。

マジックやイリュージョンが好きな人にこそ、オススメしづらい映画。

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ウルトラI LOVE YOU!(2009/アメリカ)


メアリーは真っ赤なブーツが大好きな、少しエキセントリックなクロスワードパズル作家。ある日、イケメンTVカメラマンのスティーブと出会った彼女は、人生が引っくり返るような恋に落ちる。それ以来、仕事で全国を駆け回る彼にしつこく付きまとうように! しかし、彼はメアリーを“イカレちゃん”と嫌がり、避け続ける。エスカレートしていく愛情と奇行に、ますますスティーブの心が離れていく中、アメリカ全土を巻き込む事件が彼女の身に起こり……。

原題:All About Steve

事件のあるところスティーブあり!ということで、事件と愛するスティーブを追ってアメリカ全土を駆け回るメアリーの奇行記とでも言うべき映画で、彼女のトリッキーなキャラクターを受け入れられないことには楽しくないでしょう。
しかもアスペルガー症候群であるがゆえに他者から疎まれたり笑われたり、ちょっといたたまれない心境になる部分が……。

しかしアスペルガー症候群という存在をごくありふれたものとして扱い、同時に彼女らの存在を『個性』とは受け取ってくれない社会へのアンチテーゼを込めつつも、それでいて気軽なコメディに昇華したことは意義のあることだと思う。
(発達障害をバカにしていると受け取る向きもあるでしょうが、個人的にはそういった障害を腫れ物扱いしたり、あるいは『無い』ものとして扱うことの方がどうかなあという考えです。当人がそれを望むのでない限りは。)
ありふれたものとして扱ってるから、作中で「メアリーはアスペルガー症候群です」なんてわざわざ名言されることもありません。

それにしても、人が人に押し付けようとする『ノーマル』の数々のなんと多いことか。
セクシャリティや、髪型や、体型や、服装や、歩き方や、笑い方や泣き方の一つ一つに関するまで金型が用意されていて、その型にはまらない人間は全て不良品とされてしまう。
おまけに不良品はどのように扱ってもよいとされている。

作中でも、危険にさらされたメアリーを案じるどころか更なる追い討ちをかけるような(あるいはからかうような)言葉や行動の数々が散見されるように。
『個性』の人々と『一般』の人々の間が柵で隔てられたシーンもかなり示唆的。

とはいえ現実問題として、やっぱり彼女らは少数派で、その他大勢とは相容れない面もあります。
メアリーがスティーブの側ではなく自分によく似た仲間の元に居ることを選んだように、住み分けという発想も必要なんだと思う。
それは両者の間に柵を建てるという意味じゃなくてね。
自分と違う存在を疎むのではなく自分と同じ存在と出会えたことを喜び、「自分は自分、誰かは誰か」と切り離して考える勇気を持ち、自分は自分であると認める勇気を持ち、自分とは違う存在を認める勇気を持つことが必要なのでしょう。

だからこそこの映画でもメアリーはスティーブではなく他の自分とよく似た仲間達の元に戻ることにしたのだし、私はこのエンドが大好きです。
メアリーが「周りから普通になれ普通になれってせっつかれるからそうしなきゃいけないような気がしてるけど、私自身はべつに普通になりたいわけじゃない」とハッキリ言い切るところもすごくいい。
スティーブが「君はそのまま変わるなよ」と言ってくれたことも。
最初から最後まで一貫したテーマを守り続けた姿勢はあまりに気高く、これがラジー賞?と首を傾げてしまうほど。

誰でも笑えるコメディではないし、ハートフルなラブストーリーでもないけど、アスペルガー症候群の恋愛模様と人生模様を描いた映画として、ぜひ一度観てみてほしい。

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ロシアン・ルーレット(2010/アメリカ)


とある館に、それぞれ番号の付いたTシャツを着せられた17人の男たちが円になっていた。その周りには、多額の金を各プレイヤーに賭ける男たち。ここでは、命を賭けた集団ロシアン・ルーレットが行われようとしていた。ゲームの勝率はわずか1%。果たして彼らは殺人者になるのか、被害者になるのか、それとも─!?

原題:13

緊迫感と役者の演技力で魅せる映画。
観終わったあとの「で、結局何が言いたかったんだろう」感は否めません。
いや、必ずしも映画がメッセージ性を含んでいる必要はないわけですが、この作品の場合は何か言いたげな空気みたいなものがあるからこちらもそういう姿勢で臨んでしまうんですよね。

あえて細部を説明せず、場面や背景の描写も台詞ではなくキャラクターの表情や空気だけで語ることにこだわりと一貫性を感じますが、どうもそのせいでキャラクターの奥行きが狭まってしまっているように思う。
主人公だけじゃなく脇キャラも同じく。誰にも感情移入できないというのは、こういう閉鎖的なストーリーにおいては痛手です。

そしてなんといっても救いのないラスト。
作品全体の空気感から、ハッピーエンドで終わりそうにないことは薄々予測してましたが、いざ目の当たりにするとやっぱり胸が痛みます。

主人公は多分、自分が最後まで勝ち残ったのは人より判断力が優れているからだとでも勘違いしてしまったのでしょうね。ただの強運やまぐれじゃなく。
だから自分を信じて他人は信じないことにした。
その思い上がりを捨てて素直に家まで送ってもらえば、あのようなラストを迎えることはなかったのかも……

でも実際、あんなゲームに参加させられたあとで他人を信用できると思うか?と問われればNOなわけで、一概に主人公を笑えも責められもしないのが正直なところ。
せっかく強運でゲームを生き残ったのに…いや、むしろゲームで運を使い果たしたと言うべき? なかなか皮肉が利いてるエンドです。

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スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間(2013/アメリカ)


美しい女サマンサ。言い寄る男は数多いが、彼女は女しか愛せないレズビアンだった。しかし、恋人ニッキーの冷たい態度に悩んでいたサマンサは、ある夜のパーティーでヤケになり、見知らぬ男と関係を持ってしまう。だがその翌朝から、彼女の身体に異変が起き始める。サマンサは自分が性病に感染したと思い込むが、その症状はそんな生易しいものではなかった…。

原題:CONTRACTED(罹患する)

少々場違い的な感想ではあるんですが、私がこの映画を観終わって最初に考えたのは「サマンサは別にレズビアンではないな」ということでした。
サマンサ自身「レズビアンになったのはアリスと出会ってから」と発言してるし、しかもそれってたったの10ヶ月前。
それ以前は男と付き合ってたしセックスもしてたってことです。
今回はたまたま「依存できそう」と思った相手が女であったというだけで、サマンサにとっては別に相手が男でも女でも構わない、と。
(「レズビアンになった」って言い方がまずおかしいし。 言い表すとしたら「自分がバイセクシャルであることに気づいた」じゃない?)

おそらく監督の同性愛に対する認識が非常に浅かった、かつ歪んでいたのが原因でしょうね。
おかげでこの映画の土台はボロボロになっちゃってます。

なぜかと言うと、この映画は彼女がレズビアンであってこそ成立するはずだった話だから。
原題は『罹患する』で、病気をうつされたのは同性愛者で、そしてゾンビ化は明らかにエイズを暗喩しています。
つまりこの映画は同性愛者に罰を与えよ!という、実にキリスト教的な存意の元に成り立っているってこと。
むごい罰を受けるのが異性愛者では都合が悪いわけです。
なのにサマンサのキャラクターがこれでは……。

そんな背景あってのことか、サマンサのキャラクターは罰を受けるに相応しく、いやあまりに相応しすぎるくらいに作り込まれてる。
恋人の愛があれば他の誰の愛もいらない。恋人さえ愛してくれれば他の誰も必要としない。誰にも構われたくない。
自分はこんなに尽くしてるのに誰も私のことをわかってくれない。心配してくれる友人?そんなの上っ面だけで、奴らは自分のことしか考えてないに決まってる。私とは違って……
彼女の振る舞いは一途と呼ぶよりは寄生虫じみてると言わざるを得ないです。
どうしてそんなに躍起になって何もかもから逃避しようとするんだろう? 元来の性質なのか、それともうまくいかない家庭環境がそうさせたのか。

自業自得な面もあるけど、サマンサの姿はとても寂しい。
友達が居ない寂しさを花で紛らわす内気さも寂しいし、誰にも認めてもらえずますます孤独を募らせる姿も、もはや自分を愛してくれもしない恋人に執着する姿も、母親との信頼に乏しい関係もとても寂しい。
自分の周りから誰もいなくなってしまって初めて、口うるさく尊敬も出来ないダメな母親こそが自分の唯一の味方であり、あんなに求めていた『絶対的な愛』の持ち主だったと気付く愚かさも。

なにはともあれ、キャロライン・ウィリアムズ(『悪魔のいけにえ2』のストレッチ役)演じるお母さんのお母さんっぷりの完璧さには惜しみない拍手を送りたい所存。

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バイオハザード・アイランド(2012/アメリカ)


アメリカ全土はゾンビが支配する魔の世界と化していた。マイアミで隠遁生活をおくっていた救急救命士のエルビスは、若き女性生存者ツイーターと、10歳の少年コーディを助ける。やがて彼らは、老人のアドバイスでゾンビのいない「孤島の楽園」を目指す。苦難の末、やっと島にたどり着くが、そこは楽園どころかあのマイアミより劣悪な閉ざされた世界だった……。

原題:DEAD SEASON

キワモノっぽいタイトルに反して真面目な作りの映画でした。
テーマはどう生きていくか。
どう世界を救うかではなく、どう戦うかでもなく、どう逃げるかでもない。
受け身なテーマですが、この作品に関してはそれが全ていい方向に作用していたように思います。

個人的には、生き残りが協力し合ってゾンビを倒す!の定番パターンよりもこちらの抑圧された関係の方がリアリティも説得力も感じられる。
物資も食料も満足に調達できない世界で『生き残り同士仲良く』は難しいでしょうね、やっぱり。
むしろ中途半端に生き残りが多いと困ることもたくさんあるわけで…。

舞台は空が明るくて、木漏れ日が綺麗で、絶えず小鳥の声が聞こえる、そんな平和にすら思える小さな島。
そういうところにゾンビってどうなの?と最初は思いましたが、これが不思議とぴったりなんです。
危惧してたようなシュールさもチープさもなくて、日常の中の非日常感が際立ってました。

数あるゾンビ映画の中でも特に閉鎖的なこの映画は、動きの少ない脚本ながら退屈を感じさせない仕上がりになっていると思います。
レンタル代の安そうな小島を使うことで浮いた予算を臓物の制作に全力投球しているらしく、やたらと気合いの入ったグロも見所。

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フォー・クリスマス(2008/アメリカ)


結婚に興味はないが、ブラッドとケイトは幸せいっぱいのカップル。毎年クリスマスシーズンには、わずらわしい家族づきあいからとんずらを決め込み、飛行機に乗ってトロピカルなヴァカンスへ。離婚した双方の親や、兄弟姉妹、甥っ子姪っ子たちの前から姿を消していた。ところが今年は、赤鼻トナカイのピカピカの鼻も見えないほどのひどい濃霧が発生。飛行機が飛ばなくなってしまった!仕方なく、4つの家族それぞれとクリスマスを祝うことになった2人だったが…。

原題:FOUR CHRISTMASES

突然ですが、私は血縁関係にある相手とネジとボルトみたいに寄り添って生きていく必要性を感じません。
どうしても折り合いが合わないのなら、いっそお互いのことを忘れて自分だけの人生を生きたっていいんじゃないの?と思う派です。
家族って言っても所詮は偶然にも同じ血を分け合うことになっただけの他人であることに変わりはなく、無理してまで家族に自分を同化させることはないんじゃないかと…。
だからこの映画の「家族なんだから一緒に仲良く暮らそうよ!お互いを愛そうよ!家族なんだから家族なんだから家族なんだから!」という愛のゴリ押しには辟易してしまった。

私だったら自分に対して本気の殴る蹴るの暴行を加えてくる兄弟や、甥っ子とうまくやっていこうなんて絶対に思わない。
だから遊びと称して本気のリンチを受ける主人公の姿には哀れみと苛立ちしか感じない。
映画的には、あれは笑うシーンだったみたいですが……

彼らの中に共通して存在しているのは、一番稼いでいるブラッドに対する劣等感。
同時にブラッドの中にもどうしようもない劣等感が染み付いていて、それをどう乗り越えるのか、あるいはどう折り合いを付けていくのかというのが多分メインテーマ。

“多分”と前置きしたのは、劣等感の苦悩を共有できるほどにはキャラクターに感情移入できなかったから。
多分そうであろうなあとぼんやり感じただけで…
ところどころカットされてる?と思うほどの急展開も、悪い方悪い方へと作用してると思う。

観終わった感想は「だから何?」 次に「で、なんだったの?」 そして「クリスマス関係ないやん!」
たった1日でそれまでの人生の何もかもが変わるなんて、そんな風に思ってる訳じゃないけど、でもやっぱり映画なんだしスッキリ終わらせてほしかった気持ちもある。
どうせだったらもうとことん都合のいいハッピーエンドに仕上げたっていいじゃない。

「結婚もしない、子供も作らないカップルなんて超ミジメだよねー!ほらだから結婚しろ、子供作れ、それだけが正しい“幸せ”の形だから逆らうな」……そんなメッセージがチラチラ見え隠れしてる。

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エヌ氏の遊園地(1985/星新一・著)


31編のショートショートが収録されています。

人質』は強盗犯が子供を盾にして警察を振りきろうとする話で、犯人の芸人歴と露出がどれ程のものかにもよるけど調べればすぐに足がつきそう。

工場の経営に行き詰まったエヌ氏のもとに、不正に火災保険金を手に入れる方法を持ち込んできたセールスマン。エヌ氏はさっそく契約を交わすも案の定……な『波状攻撃』。行くところまで行ったらなにが出てくるのか気になる。

少年による損傷事件の裁判を傍聴したエヌ氏がその判決に陰謀めいたものを感じとる『危険な年代』はタイトルを利用したどんでん返しが鮮やか。

金の儲かる薬を開発したエヌ博士の研究所に強盗が押し入った。強盗は博士が苦心して作り上げた薬を飲み干してしまい……。強盗が純真すぎて笑う『秘薬と用法

商売がたきを絶対に足がつかない方法で始末してくれるという女とエヌ氏を巡る『殺し屋ですのよ』。このオチには驚くやら感心するやらでいちばん初めに読んだときから忘れられない話です。

偶然にも発明した人工の幽霊を使って、金儲けをたくらむ男とその甥っ子を書いた『うらめしや』。二人はさっそく研究室を改装して本格的なお化け屋敷を作り上げた。外には噂を聞きつけた人々の長蛇の列、準備は万端と思われたが……幽霊がかわいいオチ。

夢の中の部屋に自分が欲しいものが次々現れるという『欲望の城』はバッドエンドが回避不可能なだけに怖すぎる。
私なら手芸用品で窒息死が一番ありそう。
欲しいと思ったものならなんでも(生き物でも)出てくるというならもっとすごい惨劇がきっと……。猫にうもれて圧死とか小鳥まんじゅうで熱死とか。

エヌ氏が古本屋で買ってきた一冊の本。いかにも怪しげなその本には魔法を起こすための手ほどきが綴られており、エヌ氏はさっそく必要な道具を集めに出かける。そんな『よごれている本』。
捧げ物の質を求めるのはごもっともだけど、ラテン語が完璧に読み書きできる知性をもち、そのうえ好奇心と行動力を備えた上物だけを狙うのはあまりにも非効率なような……
特にラテン語なんて年月が経てば経つほど習得者が減っていくばかりなんだから。次に呼び出されるのは何年、何十年後?

二人の泥棒が逃げ込んだとある列車での話、『逃走の道』。
深夜のレールを超特急で駆け抜ける車内のその異様な光景を想像すると寒気が走る。そして列車はもっと恐ろしい終焉に向けて走り続ける…

クリスマス・イブの出来事』。クリスマスに町に降り立ったサンタクロースを題材とした話には他に『ある夜の物語』がありますが、こちらは世知辛い話。

江戸の幽霊から電話がかかってくる『依頼』。
ぐれた科学者もどんどんこの世を去っているいま、もはや霊の世界は人間の世界より進歩しているという設定に深く納得させられた。
それにしても、いくら偽金とは言っても江戸時代に作られたものならそれはそれで価値がありそうな気も。

飛行機の墜落事故に巻き込まれる夢を幾度となく見てきたエヌ氏。夢のお告げと同じ13日の金曜日、彼は上司から出張の同行を頼まれた。それには飛行機に乗らなければならず……。
夢と対策』。ここまでくると、地下にこもったとしても安全だとは思えない……ファイナルデスティネーション的に考えて。

夕ぐれの車』は二人の男が資産家の子供の誘拐を企てる犯罪もの……と思いきや全く予期しない方向へと話が転がっていく面白い内容。スカッとするわけでも感動するわけでもないけど、不思議な余韻が残る。

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ヴァニラ(2004/カナダ)


親友ヘンリーと共同生活を送っている大学生ティエリー。ある日、地下鉄駅構内でフルートを吹く美女クレアを見かけたティエリーは、一瞬にして彼女に魅了される。間もなく互いに惹かれ合うようになり恋に落ちていく二人。しかし、クレアは既にガンに冒されていると告白、科学治療のために入院してしまうのだった。事態は少しずつ暗転へと転がり始めるのだった。ティエリーは衝撃の事実に愕然としながらも、深い愛に溺れる中で、なぜか次第に生気を失っていく。そんな彼を見た親友ヘンリーは、クレアと別れるべきだと忠告するが、まったく耳に入らない。そんな時、病院にクレアを見舞った彼は、そこで彼女と彼女の家族の会話を耳にする。その会話とは……。

原題:LA PEAU BLANCHE/WHITE SKIN

人間の肉を食べれば健康に生きられるが、愛する人を傷つけたくないがために欲望を押さえつけるヴァンパイアと、そんな彼女の正体を知らないままに愛を募らせていく青年とのホラー風味のラブストーリー。

赤毛が嫌いで白い肌も嫌いな主人公が、赤毛で真っ白い肌のクレアにあっという間にのぼせ上がってしまうところからしてわからないです。
嫌いな要素をいくつも取り揃えていたとしてもクレアだけは特別なのだ、ということを後押ししたいなら、彼女の外見ではなく内面に惹かれる方が自然では?

なんだかこの主人公、大層な御託をいくつも並べるわりには『自分』というものを持っていないんですよね。
ルームメイトのことを親友親友といいながらあっさり切り捨てたり、しまいには死なせる原因を作っちゃったりするところも好きになれない。

作中でしつこいまでに白人黒人の違いや差別問題を取り上げるわりには、最終的に一体どういう答えを導き出したいのかがまったくわからないところもちょっと…

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シャドウズ・ゲート(2011/カナダ)


未来を約束した最愛の女性・ケイトを火災事故で失ったジョシュ。時が経ち、別の女性と結婚するも、彼女のことを片時も忘れられない彼はひどい不眠症に陥っていた。貞操なき妻から疎まれ、精神的に追い詰められた彼を救ったのは、知人の紹介で知り合った医者から渡された、未だ開発途中の睡眠薬だった。目覚めた彼の目前に現れたのは、死んだはずのケイト。夢の世界と知りつつ、ケイトとの甘い幸せな時間を過ごすジョシュ。ただし、薬が切れると元の悲惨な現実へ―。次第に彼は、ケイトに逢いたい一心で薬を多用するようになる。幸福な時間が流れる夢の世界と不幸極まりない現実の世界。医者に薬を断られた彼は、研究所に侵入し薬を強奪。夢の世界に生きることを決心するのだが、そこで彼は思いがけない事実を知ることとなる。果たして、ジョシュが選択した生き方とはー。

原題:NEVERLOST

最初に言っておくとめっちゃ鬱。
これは死にたくなる。

まず主人公の演技が素晴らしい。
ケイトをどれほど一心に深く愛していたかが伝わりすぎて、まるで観ているこちらまで愛する人を失ったかのような痛みに苛まれるほどの熱演です。

そして設定が容赦ない。
ジョシュがこの世の何よりも愛した婚約者のケイト。彼女の死因は火災ですが、その犯人はなんと彼女の実父。
動機は娘を奪われたことによる嫉妬で、娘を殺せば永遠にケイトを自分だけのものにすることが出来、同時にジョシュを苦しめることも出来る…と考えた末の凶行だったようです。
一方、夢の世界ではケイトは生きています。
でも、ジョシュの両親がやはりケイトの父親によって殺害されています

夢の世界が実際にはただの夢ではなく、パラルドワールド的存在である以上、この現実は「ただの悪夢」では片付けられないほど重い意味を持ちます。
どちらの世界で生きるにしてもジョシュは何らかの決断を下さねばならないし、背負う覚悟は尋常じゃない。

いずれにしてもジョシュに楽観的な未来などあるわけもなく、それはわかってはいたけどそれにしたって究極すぎる鬱エンドには参った。
善人は一人残らず不幸になり、悪人だけが安泰を得るという…なんか……もう……

とはいえジョシュが悲劇を乗り越えて現実世界で新たに生き直す終わり方にしてしまったらどこにでもある石ころ映画になってしまっていたと思うし、作品としてはこれで良かったのかもしれない。

せめてエンドロール後のワンシーンが彼らにとっての“3つめの現実”であってほしいと切に願う。

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ブロークン・イングリッシュ(2007/アメリカ、フランス、日本)


ノラ・ワイルダー、30代独身。ニューヨークのホテルで働く仕事中心の日々。親友は自分が紹介した相手と結婚。男性と付き合おうとすれば失敗する。気分転換に出かけた友達のホームパーティ。気が乗らず帰ろうとしたその時、フランス人のジュリアンと遭遇するのだが…。

原題:BROKEN ENGLISH

今の人生を嘆きながら今の人生が少しでも変わることを恐れて、いつも『動き出さないための言い訳』を探しているノラ。
ジュリアンに一緒にフランスへ来てほしいという誘いを怖がって自分から断っておきながら、いざ離れる段になると寂しい、離れたくないと泣く。
彼女は自分と自分を取り巻くすべてをがらりと変えてしまう『魔法』を求めている。
魔法が起きれば自分が動かなくても済むから。

紆余曲折あってのハッピーエンドにほっとする自分がいる反面、結局最後まで臆病なままで自分から好きとは言えないノラにうーんって思う部分も残ったり。

最後の最後で望んでいた魔法が起きてジュリアンと再会できたって言うのに、相変わらず猜疑心の残る態度で彼をやきもきさせるばかりで、そんなんじゃ結局二ヶ月もしないうちに捨てられるよ?とこちらまでイライラしてしまった。
そりゃ臆病もコミュ障もそう簡単にどうにかなるモノじゃないけど、30歳にもなっていつまで受け身でいるつもりなのか。
嬉しい、会いたかった、ずっと探してたって言うだけのことなのに。
結局ノラは周りが動き出すのを待ってるだけの惨めな女のままで、彼女がパリで過ごした数日間って一体何だったんだろうって思う。

ノラと年齢が近ければまた違った感慨を受けたかもしれない。

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