4月 21 2014

相反し寄り添う世界

朝が息を吹き返すとき
夜が鼓動を止めるとき

きみの居ない昨日
ぼくの居ない明日

真夏日と、溶けだす氷
真冬日と、凍りつく窓

搦め捕られる糸(意図)
打ち砕かれる石(意思)

あなたは最初からすべて知っていた
わたしは最後までなにも知らなかった

ひとりを厭う
ふたりも疎む

近すぎて触れない
遠すぎて眩しい

好きじゃないけど愛してあげる
愛しているなら嫌いと言って

とある愚者の記述
とある賢者の独白

勇敢な兎
臆病なライオン

生まれ来る庭園
朽ち行く廃園

私のためだけに生きられないならいらない
あなたのいない世界なら欠片だっていらない


7月 21 2013

よとぎばなし3

不完全さを持ち寄れば
世界の終焉はオーロラとともに
愚かにも邂逅
穏やかに朽ちる
こんなに苦しいなら永遠なんていらなかった
何も失わずに大人になる事はできない
明日なんて来なければいいのに
優しい言葉が出てこない
その憎しみだけが、私を支える全てだと言うのならば
哀れみのナイフ

名前を無くした夜の為の挽歌
鐘の音で終わらせて
優しさに手枷
ほら、もう間に合わない。
泥水をすする
終わりなんてないと、そう言って
濁った声で囁いて。
リリスは嗤う、私のために
ああわたしが、享楽に耽る人形であれたなら。
フシギな世界の気狂い時計。針はどっちにまわってる?時間はどこに向かってる?

心臓を縫う糸は、蘇生する躯を貫き縫いとめ愛撫する。そして今日も、静かなる跫音が響く
The Seducing Woods
吸血鬼と殺人鬼
引き裂く劣情
泥に濡れた赤い靴
不完全に陶酔
屍に献花
骨が軋む
花散る、そして、残ったものは
鋼の獣は笑わない

錆びついた靴
ぎこちなくてもまだ踊ってる
泳ぎ方ももう忘れた
もう帰れないと誰かが囁く
秘めやかな傷
うぐいす一羽、冬に相果つ
黒でいられるはずだった
荊の牢獄
唄わないラジオ

※邂逅……思いがけず出会うこと
※The Seducing Woods……『迷子の森』。誘い込まれたあと、悪い事が待ち受けているニュアンスを持つ。
※相果つ(あひはつ)……死ぬこと


7月 21 2013

ホラー

かかげた心臓
屍肉と燃える爪
溶ける両腕
眼窩に雪
転げ落ちる頭蓋
回転木馬で轢死
首切りうさぎ
空虚な肺
赤い羽根の背中
引きずり出された胸の内

噛み千切っておくれ
打ち砕いて、この骨を
人喰いの丘
腐敗の水際
切り落とされた踵
隙間から視ている
眼球にフォーク
縦並びの眼


7月 19 2013

いろいろ2

決して壊れない言葉が欲しい
硝子張りの迷宮
白銀の時計
夜明けを待つ街
無秩序な夜のなかで
東の海に落ちる月
なみだの結晶
四角い部屋と魚
最後の夜が眠る場所
あの瞬間に限って言えば、僕のことばは嘘ではなかった

観覧車から見上げた空はあまりにも近かった
遠ざかりゆく冬があまりにも寂しかったので
一等星はまだ見えない
地球がとまればいいのに
無限の糸を手繰り寄せ
足りない欠片を探すには今宵はあまりに眩しすぎる
共鳴メカニズム
秋の霜
衰えゆく夏の日々に
溜め息の影が君を捕らえるとしても

三角形の宇宙船
底意地の悪い指先
感情の芽を迷わず摘み取る
羊の額
鳥の睫毛
犬の背中
猫の前足
皮肉っぽい天使
喜劇の積み重ね

8週目の夜をつかまえに
舌足らずで一言多い
明日をリセット
夕焼けに消ゆ
あと一分足りない
摘み取る罰
昼下がりの幽霊
皮肉合戦
玄関を開けたらそこは宇宙だった
罪の果実は青かった

アルファベット・クッキーで綴った
青白い満月が浮かんでいた
緩慢な告白
蠱惑する声
予想はするけど煩悶はしない
考えることを諦めた訳じゃない
盤上の取り決め
0と1でしか伝わらない
生き急ぐ蝉の叫びがあまりに切なかったから
不可解なメールがすべての始まりだった


7月 19 2013

さよなら

二度とは口にできない言葉
届くことのない手紙
きみがいない楽園
色褪せた体温
夜に生きられぬ花
二度とは戻らない過去に縋る
ありもしない来世で逢いましょう
同じ季節を見ていると信じていた
僕を憎んでほしいと願うけれど
私ならもっと上手に裏切ってあげられるのに

すべてを知っていながらも私たちはさよならをする
どれだけあなたから遠ざかれば、あなたを守れるのでしょう
それでも私は彼女が好きだった。
二人きりで最期の晩餐を。
私を好きだと言ったあの子はもういないけど
だってずっと一緒になんていられない
いつか訪れるさよならの1日前
あなた以上に大切なものなんて何もなかった
わたしが追いかけていたあなたの背中はもうどこにもありはしない
柔らかな窓辺、君がいない、君がいない、君がいない。

春でもなく夏でもないその日、私は死んだ
絡めた指をほどくと決めた日
くだらない別れ話を笑い飛ばして
宙に消えた声はもはや誰にも届かない
世界の終焉はオーロラとともに