7月 19 2013

人と人2

くだらない別れ話を笑い飛ばして
彼女と彼女の言い分
なんて不器用なんだろう、私も、あなたも。
分かち合えるなら退屈も悪くない
「ちょっと通り掛かって」なんて、嘘ばっかり。
一度だけ、キスをしてください
今さらどんなあなたなら愛せないというの
私の好きな人は、私のことが好きではありません。私が女だから好きにはなれないと言うのです。
どれだけあなたから遠ざかれば、あなたを守れるのでしょう
好きなだけじゃどうにもならない事もあって、私たちの関係はつまりそういう類いのものだった。

絡めた指をほどくと決めた日
きっと君がすべてだった
閉ざされた目蓋の裏で、わたしたちは同じ祈りを孕む
柔らかな窓辺、君がいない、君がいない、君がいない。
溜め息の影が君を捕らえるとしても
二人だけの境界線
好きだと言ってみたら思わぬ結果になった
明かりがないと眠れないVS真っ暗じゃないと眠れない


7月 19 2013

さよなら

二度とは口にできない言葉
届くことのない手紙
きみがいない楽園
色褪せた体温
夜に生きられぬ花
二度とは戻らない過去に縋る
ありもしない来世で逢いましょう
同じ季節を見ていると信じていた
僕を憎んでほしいと願うけれど
私ならもっと上手に裏切ってあげられるのに

すべてを知っていながらも私たちはさよならをする
どれだけあなたから遠ざかれば、あなたを守れるのでしょう
それでも私は彼女が好きだった。
二人きりで最期の晩餐を。
私を好きだと言ったあの子はもういないけど
だってずっと一緒になんていられない
いつか訪れるさよならの1日前
あなた以上に大切なものなんて何もなかった
わたしが追いかけていたあなたの背中はもうどこにもありはしない
柔らかな窓辺、君がいない、君がいない、君がいない。

春でもなく夏でもないその日、私は死んだ
絡めた指をほどくと決めた日
くだらない別れ話を笑い飛ばして
宙に消えた声はもはや誰にも届かない
世界の終焉はオーロラとともに


7月 19 2013

あなたとわたしを構成するもの

類似お題:ホラー(グロテスク表現注意)

柔らかな手と手が触れ合うとき
腹に絡めた腕の強さは
暗闇の中であなたの手を探す
悪夢の中で繋いだ手は
世界の終わりまで、手を繋いでいて
ちぐはぐな体温
冷たい肌を擦り寄せる夜
今はまだ遠い掌
夜をなぞる指
暖かな骨

それは傷口に舌を抉じ入れるような
あなたを見つける事にかけては優秀なわたしの目
黒猫のようなあなたと、その眼を欲するわたし
私の肩を濡らした涙のつめたさを忘れられずにいる
閉ざされた目蓋の裏で、わたしたちは同じ祈りを孕む
わたしが追いかけていたあなたの背中はもうどこにもありはしない
絡めた指をほどくと決めた日
その日、わたしの心臓は食べられた。
底意地の悪い指先
象牙色の嘲笑

舌足らずで一言多い
錆びた目蓋は瞬かない
掌に残った爪の跡
そして私はこの手を差し出すでしょう
蠱惑する声
鎖骨に唇
薬指にスピカ
純白のひとひらを舌で掬えば、
泥と爪先


7月 19 2013

人と人1

柔らかな手と手が触れ合うとき
くすぐったい愛情
ゆるやかな呼吸が欲しくて唇を塞いだ
あなたのひと欠片を、私にください
どうしても正しく愛せない
私が笑っても彼は笑わないけれど
腹に絡めた腕の強さは
暗闇の中であなたの手を探す
優しいふりをして騙して
悪夢の中で繋いだ手は

世界の終わりまで、手を繋いでいて
報われない嫉妬
ちぐはぐな体温
ひと欠片のお砂糖と恋心
親愛なる魔女よ。
冷たい肌を擦り寄せる夜
どうか私の愛情を理解して
さあどうぞお好きなように愛して?
あなたを恋う、そして乞う。
それでも私は彼女が好きだった。

二人きりで最期の晩餐を。
同じ季節を生きる
明日からは別の私とあなたになる
10cm先の鼓動
今はまだ遠い掌
坂道を競争
秘密を三つ教えてあげる
取引めいたキス
私を好きだと言ったあの子はもういないけど
嫌いと言って、笑った。

いつか訪れるさよならの1日前
だってずっと一緒になんていられない
あなたを見つける事にかけては優秀なわたしの目
黒猫のようなあなたと、その眼を欲するわたし
私の肩を濡らした涙のつめたさを忘れられずにいる
あなた以上に大切なものなんて何もなかった
あなたの入れてくれる完璧な紅茶や、風を孕んではためくシーツ
わたしが追いかけていたあなたの背中はもうどこにもありはしない
明日なんていらないと言ったら、きみが笑った
果たして嘘つきは君と僕のどちらだったのだろう

今のわたしたちに恋人同士という関係をプラスしませんか
好きにならないための言い訳を繰り返す私をどうか嗤って
きみと一緒にいると二度と朝が来ない事を願ってしまうよ
きっと私たちは正反対で、だけどたった一つだけ同じものを持っている
すべてを知っていながらも私たちはさよならをする
だからね、きみのことが好きなんだってば
わたしの女王陛下
きみのためなら何だって出来ると、そう信じていたあの頃


7月 19 2013

よとぎばなし1

狩人の嘘
終わりしか見えずに
がんじがらめの自由
ありもしない来世で逢いましょう
春は朽ちる
交わせない約束
爪先だけ踏み入れた悪夢
歪んだ庭園の向こう側
引き裂かれた夜空の隙間
今も色褪せた夢の中で生きる

同じ季節を見ていると信じていた
聖者の懺悔
僕を憎んでほしいと願うけれど
私ならもっと上手に裏切ってあげられるのに
きみは愛を歌わない
夜を焦がす体温に、今宵も私はひとりで踊る
虚ろな夢に沈むわたしを、もう一度掬い上げて
アンティークチェアに腰掛けて、撥条の軋む夜に死せる夜
透明な羽を畳む蝶が、白い指で引き裂かれた夜の奥で踊り続ける

夢の籠に横たわる荊姫は、もう明日を知る事もないのでしょう
日ごとに生まれ、夜ごとに朽ちゆく白と黒
セピア色の夢の中で、わたしの目蓋は開かず、今も尚色褪せたあの時のまま
閉ざされた目蓋の裏で、わたしたちは同じ祈りを孕む
柔らかな窓辺、君がいない、君がいない、君がいない。
白い陶磁器の底に落ちるのは涙か、甘い毒か
悲しみがたちまち東の空を覆い尽くした
取り決められた死
私は愛する者を二度殺す
春でもなく夏でもないその日、私は死んだ

かくも短い永遠
臆病者の末路
鉛色の空が肺を押し潰した
利己的な運命
破壊者の憂鬱
砕け散る虹
共鳴する蕾
ひとりぼっちの怪物
空はとうに色褪せた

どうか私を食べ尽くして
それは傷口に舌を抉じ入れるような
焼け爛れた言葉
昨日を諦める僕を許して
二度とは口にできない言葉
心臓を縫う糸
暖かな骨
放し飼いの快楽
閉ざされた地下室
地下室の繭